その昔、奄美の島々は南下する稲作文化と北上する織物文化、それに大陸文化などが行き交う特別な地域で「道の島」とよばれていました。奄美の里の庭園は、飛石状の岩石を「道の島」に見立て、築山によって開聞岳・霧島連峰などを表現したきわめて独創的な日本庭園です。
視界いっぱいに広がる庭園にはブーゲンビレアやソテツ、ヤシやシダなど南国情緒あふれる植物が、その日の時間や季節によって表情を変え、観る者を南の島へと誘います。幽玄の美と南の島々への熱い思いと、南国の木々の不思議な調和を感じとっていただけたらと思います。