かつて、大島紬といえば、泥染めの黒地を基調とした色合いでした。そんな大島紬の歴史の中で、奄美の里の創業者、都喜ヱ門は研究に研究を重ね、多種多様な大島紬の開発に成功しました。ここでは、「染色方法」、「種別」、「絣糸の密度」による分類ごとに大島紬の種類をご紹介いたします。
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黎明 | 昭和56年、弊社オリジナル開発。”大島紬は常識的に繰り返し柄の普段着”という今までの概念を覆し、着姿が絵になる着姿全体模様の「紬の夜明け」ともいえる大島紬です。多彩的な美術的表現による付下げ調や絵羽模様で製作され、紬をフォーマル化し、おしゃれ着として晴れの場で着用できるように開発されました。 | |
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美術大島 | 昭和48年、弊社オリジナル開発。大島紬の柄を表現していた絣糸のみならず、これまで単色で染められていた地糸まで柄に染め、織り上げるという経緯総絣の技法で作られた大島紬です。多くの色数を使い、今までの大島紬よりさらに精密で写実的な絵画的表現が特徴です。 | |
経緯絣 | 大島紬の命である蚊絣を特徴とした大島紬で、緯の絣と経の絣を十の字であわせてつくられていきます。絣文様が特徴の大島紬で、多くの人の技と力と知恵が結集され、長い年月をかけて製作されています。 | |
手絣 | 昭和35年、弊社オリジナル開発。手絣は、経緯絣とも緯織とも異なる種類のものです。経緯絣との違いは、絣経糸の代わりに別染めの経糸を使用してあることのみで、その糸に絣緯糸を丁寧に合わせて♯字の絣を織り出してあります。絣緯・地緯の総絣使いで高額品の経緯絣にも劣らない品質・意匠を兼ね備えています。 |
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経絣糸の本数を表わす単位をマルキといい、経絣糸80本が1マルキです。通称5マルキ、7マルキ、9マルキ、12マルキが主流の紬です。経絣糸の本数が多いほど、経と緯の絣合わせが難しく、精巧な絣となり高級品となります。 |
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